おいしいお米とは?
おいしいごはんの三大要素は、お米、水、炊き方(炊飯器など)。
ではおいしいお米は?
●「一番おいしいお米」はひとつじゃない!
’90年代に一度、大凶作により、日本米が不足して、輸入されたタイ米が日本米とセットで売られた年がありました。あのとき、わたしは「タイ米=まずいお米」に憤慨したものです。
「一番おいしいお米」はひとつではありません。
たとえばコシヒカリはお鮨には向かないことをご存知でしょうか? 粘りが強いこと、味が濃いことなどが理由。
どう調理して、どう食べるかによって、おいしいお米はちがいます。
たとえばわたしは、大凶作の年、タイ米で作るパエリアやピラフにほれました。あの独特の高い香り、ぱらっとした食感。日本米ではおいしく作れないお米料理はたくさんあります。
また、ひとにはそれぞれ好みがあるもの。たとえば最近の若いひとは、昔のひとよりも硬めのごはんを好みます。柔らかさが特徴のコシヒカリは、硬めが好みの最近の若いひとには決して「おいしいお米」ではありません。
●「おいしいお米」を勘違いさせる食味検査
大凶作の数年後、わたしはネット上で政府でお米を担当する役人をしているネット友達ができました。彼の職業を知ると、わたしは彼に「食味検査、あれがお米に関する誤解をばらまいている!」と抗議しました。彼も半分くらいは同意。
わたしが食味検査と呼ぶのは、よくお米屋さんで「魚沼産コシヒカリと同じ特Aのおいしいお米」などという宣伝に使われている検査のことで、日本穀物検定協会が行っている「食味官能試験」のことです。
日本穀物検定協会「米の食味ランキング」
この検査は「茶碗によそわれた、白い御飯」で行われます。つまり炊いたごはんだけ食べたときにおいしいお米が、食味検査の「おいしいお米」。
おかずを引き立てる、あっさりしたお米は低く採点されがちですし、パエリアやピラフに向いたお米も高得点を得られません。
●あなたにとっての、おいしいお米の探し方
ごはんの柔らかさから、味や香りの強さまで、お米もいろいろです。
そのどれが「おいしい」かを決めるのはあなた自身。食味検査も、世間の評価も関係ありません。
では、あなたにとっての、「おいしいお米」を探してみましょう。
基準のお米を好みの調理法で、好みのおかずと一緒に食べて、チェックグラフに評価を書いてみます。
日本穀物検定協会が行っている「食味官能試験」では「日本晴」というお米と「コシヒカリ」、どちらも近畿圏産のお米をブレンドしたお米を基準米にして、それと同等のものを「A’」、良好なものを「A」、特に良好なものを「特A」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」としています。
あなたはあなたなりの基準米、たとえばいま食べているお米を基準米として、以後、何かお米を買ってくるたびに、その基準米と比較しながら、チェックグラフを作っていってみてください。
そして、そのお米は、自分にとって何が足りないのかをチェックしたら、それを参考に、お米種類一覧から自分に適したお米を探してみましょう。
たとえば柔らかさが不足なら、柔らかさのポイントが高いお米を選びます。
こうして食べていく内に、自分にとっておいしいお米に近づいていけます。
お米のチェック項目は、「食味官能試験」では、外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価の6つの項目で調べています。わたしはほぼ同じですが見た目、香り、腰、粘り、味でチェックしています。
●お米の使い分け
毎日、同じような料理しか食べないならいいでしょうが、実際には濃い味つけの料理を食べる日もあれば、こってりカツ丼を食べる日もあれば、パエリアを作る日もあるでしょう。
そこでお米も数種類買っておいて、その日によって使い分けたり、ブレンドすることで、いつもおいしく食べることができます。
11 月 21, 2006 カテゴリー: 011 ごはん(お米)の知識, 012 お米のおいしい炊き方 | Permalink
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